建設SaaSの料金相場を徹底比較|5ジャンル15製品を一挙紹介

プラン比較表を確認するビジネスパーソン

「建設SaaSを導入したいが、そもそもどのくらいの予算を見ておけばいいのか分からない」——これは、施工管理・見積もり・原価管理・安全労務・BIM/CADのどのジャンルでも共通して聞かれる悩みです。多くの製品が「要問い合わせ」を掲げているため、複数のサービスを横並びで比較しようとしても、公式サイトを何ページも渡り歩くことになりがちです。

本記事では、当サイトのカテゴリ別比較記事(施工管理・見積もり積算・原価管理・安全労務・BIM/CAD)で取り上げた計15製品の価格情報を1つの記事にまとめ、建設SaaS全体の料金相場を横断的に把握できるようにしました。建設SaaS全体の選び方については、まず建設SaaSの選び方完全ガイド|現場目線でわかる失敗しない7つの比較軸もあわせてご覧ください。

目次

この記事の対象読者

本記事は主に、複数の建設SaaS導入を横断的に検討し、年間の投資予算を組み立てる立場の経営者・経営層と、社内の複数部門からツール導入の相談を受けるDX推進担当者・情報システム担当者を想定読者としています。特定ジャンルの機能面での詳しい比較は、各カテゴリ別比較記事をご覧ください。

なぜ今、料金相場を横断的に把握しておくべきか

建設SaaSの料金比較が難しい背景には、主に3つの要因があります。

  • 価格体系がジャンルごとにバラバラ:ID数課金、現場数課金、案件数課金など、料金の決まり方が製品によって大きく異なるため、単純に「月額◯円」だけでは比較になりません。
  • 「要問い合わせ」が非常に多い:特に施工管理・BIM/CADの分野では、公式サイトに明確な金額を掲載していない製品が珍しくなく、問い合わせて初めて予算感が分かるケースが大半です。
  • ジャンルによって金額の桁が違う:月額1万円未満で始められるジャンルもあれば、BIM/CADのように初期投資が数十万円〜100万円規模になるジャンルもあり、投資判断の物差しが揃いません。

本記事のような横断的な料金相場の把握は、「まずどのジャンルから投資すべきか」「年間の建設SaaS予算をどう配分すべきか」という経営判断の土台になります。

本記事の範囲についての注記

本記事で紹介する価格は、いずれも2026年9月時点で各社公式サイト等に公開されている情報を基にした目安です。多くの製品で「ID数」「現場数」「案件数」などに応じた従量課金や、個別見積もりが採用されているため、実際の金額は自社の利用規模によって変動します。掲載する金額はあくまで「最低ライン・参考値」としてご覧いただき、正確な金額は必ず各社への問い合わせでご確認ください。また、本記事は各カテゴリ別比較記事の内容を料金という切り口で再編集したものであり、機能面の詳しい比較は各カテゴリ別比較記事に譲ります。

料金を見るときの3つの軸

1. 初期費用の有無

初期費用が明確に設定されている製品(アイピア、勘定奉行iクラウドなど)は予算計画を立てやすい一方、初期費用0円を掲げる製品(サクミル、uconnect、KANNAなど)はスモールスタートしやすい半面、月額側にコストが寄っている場合があります。初期費用と月額費用は必ずセットで確認しましょう。

2. 課金の単位(ID数/現場数/案件数)

同じ「月額◯円〜」という表記でも、1IDあたりなのか、現場単位なのか、支店単位なのかによって、自社の規模でシミュレーションした際の総額は大きく変わります。特に協力会社を含めた利用人数が多い安全・労務管理系は、協力会社側の利用料が無料かどうかも合わせて確認すべきポイントです。

3. 無料トライアル・お試し期間の有無

無料トライアルの有無や期間(14日間〜2ヶ月間など、製品によって差があります)は、実際の案件データで試算してから契約できるかどうかを左右します。特に価格が「要問い合わせ」の製品ほど、無料トライアルやデモで事前に使用感と概算費用の両方を確認しておく価値があります。

カテゴリ別・建設SaaS料金早見表

カテゴリ 製品名 初期費用の目安 月額費用の目安
施工管理 ANDPAD 10万円〜 36,000円〜(60IDプランから)
Photoruction 0円 要問い合わせ(利用者数に応じた月額)
KANNA 0円 要問い合わせ(3プランから選択)
見積もり・積算 アイピア 12万円〜57万円 1万円〜3万円(5ユーザーまで)
コンクルーAI 要問い合わせ 9,900円〜(1名利用時)
サクミル 0円 9,800円〜(20アカウント込み)
原価管理 uconnect 0円 7,200円〜(工事業向けプラン)
どっと原価シリーズ 要問い合わせ 要問い合わせ
勘定奉行iクラウド[建設業編] 5万円〜 27,500円〜(iAシステム)
安全・労務管理 グリーンサイト ID利用料+初期30万円(プロジェクト利用) 月額6,000円〜7,000円程度+ID年額
Greenfile.work 個別見積もり 個別見積もり(協力会社は無料)
Buildee 要問い合わせ 30,000円〜(基本使用料、支店単位)
BIM/CAD GLOOBE Architect 85.8万円〜(購入) 19.8万円/年〜(サブスク)
Revit 要見積もり 参考:51.7万円/年(定価)
Rebro 93.5万円〜(購入・電気版) 1.65万円/月〜(レンタル・統合版)

※価格は本記事執筆時点(2026年9月)で各社が公開している情報に基づく目安です。プランの詳細や最新の価格は必ず公式サイトでご確認ください。各製品の詳細な機能比較は、それぞれのカテゴリ別比較記事をご覧ください。

施工管理SaaSの料金相場

施工管理SaaSは、月額1万円未満から始められる製品(KANNA、Photoructionは要問い合わせながら比較的小規模から利用可能)と、ID課金で数万円〜になる製品(ANDPAD)に分かれます。ANDPADはシェア最大手だけに機能は豊富ですが、60IDプランから月額36,000円〜と、ID数が増えるほど費用も膨らみやすい設計です。KANNAは協力会社アカウントが無制限・無料という点で、多くの下請け業者が出入りする現場ではコストを抑えやすい設計になっています。詳しくはANDPAD・Photoruction・KANNA徹底比較をご覧ください。

見積もり・積算SaaSの料金相場

見積もり・積算SaaSは3カテゴリの中でも比較的価格が公開されている傾向にあり、月額1万円前後から始められる製品が中心です。サクミルは月額9,800円(20アカウント込み)と価格の見通しが立てやすく、コンクルーAIはAIによる概算見積もり自動生成機能を含めて月額9,900円〜という設計です。アイピアは初期費用が明確に設定されている分、まとまった導入コストを見込んでおく必要があります。詳しくは見積もり・積算SaaSの比較をご覧ください。

原価管理SaaSの料金相場

原価管理SaaSは、原価管理特化型(uconnect)と会計ソフト一体型(勘定奉行iクラウド)で価格帯が大きく異なります。uconnectは月額7,200円〜とスモールスタートしやすい一方、勘定奉行iクラウドは会計処理そのものを担う分、月額27,500円〜と一段高い価格帯になります。どっと原価シリーズは公式サイト上で価格が非公開のため、早い段階での問い合わせが前提になる点に留意が必要です。詳しくは原価管理SaaSの比較をご覧ください。

安全・労務管理SaaSの料金相場

安全・労務管理系は、他の4カテゴリと異なり「元請企業側の料金」と「協力会社側の料金」が分かれている点が特徴です。グリーンサイト・Greenfile.work・Buildeeのいずれも協力会社側は無料または低コストに設計されている一方、元請企業側はID利用料・プロジェクト利用料・個別見積もりなど料金体系が複雑です。特にBuildeeは基本使用料(支店単位)に加えて機能ごとの現場単位課金が積み上がる構成のため、対象現場数によって総額が大きく変わる点に注意が必要です。詳しくは安全・労務管理SaaSの比較をご覧ください。

BIM/CADツールの料金相場

BIM/CADは、他の4カテゴリと比べて価格の桁が一段大きく、初期投資が数十万円〜100万円規模になる点が最大の特徴です。GLOOBE Architectは購入・サブスクの2プラン制で選択の柔軟性がある一方、Revitはサブスクリプション制で個別見積もりが基本、Rebroは購入プランに加えて月額1.65万円〜のレンタルプランも用意されています。IT導入補助金の対象になり得るジャンルでもあるため、導入前に補助金の活用可否を確認することをおすすめします。詳しくはBIM/CADツールの比較、およびIT導入補助金2026年版|建設業が使える申請条件と流れもあわせてご覧ください。

経営者目線での料金の見方

経営者・経営層の立場では、単体の月額費用だけでなく「協力会社を含めた実質的な総コスト」で比較することが重要です。特に安全・労務管理系やANDPADのようなID課金型の製品は、協力会社・現場数が増えるほど総額が膨らみやすいため、自社の想定利用規模(ID数・現場数・拠点数)を先に固めたうえで各社に見積もりを依頼するのが、比較のブレを防ぐコツです。また、BIM/CADのような高額投資については、IT導入補助金など公的補助制度の対象要件を事前に確認することで、実質的な負担を抑えられる可能性があります。

DX推進担当者目線での料金の見方

複数部門からツール導入の相談を受ける立場では、「部門ごとに別々のSaaSを契約して、結果的にコストが重複していないか」を横断的にチェックする視点が欠かせません。例えば、見積もり・積算SaaS(アイピア、コンクルーAI、サクミル)は原価管理機能も内包しているため、原価管理SaaSを別途契約すると機能が重複する可能性があります。導入前に、各部門が本当に必要としている機能範囲を洗い出し、重複投資を避ける形で製品を選定することをおすすめします。

Ochi視点:現場を見てきた立場からのコメント

ゼネコンの現場管理を10年経験した立場から見ても、「結局いくらかかるのか分からないまま検討が止まってしまう」というのは、建設SaaS選定でよくあるつまずきだと感じます。特に「要問い合わせ」の製品が多いジャンルほど、比較検討が面倒になり、結局「今まで通りExcelでいいか」という結論に流れがちです。正直にお伝えすると、私自身は本記事で挙げた15製品すべてを実際に契約・運用した経験があるわけではなく、以下はあくまで公開情報を横断的に整理した立場からのコメントです。それでも現場を見てきた実感として言えるのは、価格の見通しが立てにくい製品ほど、無料トライアルやデモで「自社の想定規模だといくらになるか」を早い段階で概算見積もりまで取っておくことが、検討を前に進める一番の近道だということです。

導入時に確認しておきたいポイント(価格面)

  • 自社の想定利用規模:ID数・現場数・拠点数・協力会社数を事前に整理してから問い合わせる
  • 初期費用と月額費用の総額(3年分など):単月の金額だけでなく、複数年で比較したときの総コストを試算する
  • 協力会社側の負担:安全・労務管理系など、協力会社にも利用料が発生するかどうかを確認する
  • 機能の重複がないか:既に契約している他のSaaSと機能範囲が重なっていないかを確認する
  • 補助金の対象になるか:特にBIM/CADなど高額な投資については、IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)の対象要件を確認する

まとめ

建設SaaSの料金は、ジャンルによって「月額1万円未満で始められるもの」から「初期投資100万円規模のもの」まで大きな幅があります。単体の金額だけで判断するのではなく、自社の利用規模を踏まえた総コストと、既存システムとの機能重複の有無を確認したうえで、投資の優先順位をつけることが重要です。各カテゴリの詳しい機能比較は、それぞれのカテゴリ別比較記事をあわせてご覧ください。目的別に製品を絞り込みたい方は【2026年最新】建設SaaSおすすめ比較10選も参考になります。

建設SaaS全体の選び方を体系的に押さえたい方は、あわせて建設SaaSの選び方完全ガイドもご覧ください。


参考:各社公式サイト(本文中に記載の各製品公式サイト)。価格情報は2026年9月時点のものです。

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