本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。試験制度・日程・合格率は国土交通省と試験実施機関(全国建設研修センター)の公表資料をもとに記載しており、報酬の有無によって内容を変えることはありません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
土木の現場で働いていると、どこかで必ず「そろそろ施工管理技士を取らないとな」という話になります。ところが2024年度(令和6年度)に受検資格が大きく変わり、ネット上には古いルールのままの解説もまだ残っています。
この記事では、1級土木施工管理技士で、ゼネコンの施工管理を約10年経験した運営者が、土木施工管理技士の1級と2級の違い、新しい受検資格、試験日程と合格率、そして働きながら受かるための勉強の順番を整理します。
この記事の要点
- 第一次検定は、1級は19歳以上、2級は17歳以上なら学歴も実務経験も問わず受けられる(2024年度から)
- 第二次検定は、第一次に合格したあとの実務経験で受けられる(1級は原則5年、条件つきで3年や1年のルートもある)
- 1級土木の合格率は、第一次が4〜5割、第二次が4割前後。差がつくのは第二次の経験記述
- 若手は「まず第一次に受かって技士補になる」のが最短ルート。経験記述は早めに書いて、人に読んでもらう
勉強の進め方は、第一次検定は過去問中心、第二次検定は経験記述の準備が中心と、検定ごとに分けて考えるのが近道です。経験記述は自分では誤りに気づきにくいため、添削を受けられる講座があるかを先に確認しておくと、準備の手戻りを減らせます。
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この記事の対象読者
土木の現場で施工管理・現場監督をしている20〜30代の方、これから施工管理を目指す職人・学生の方を想定しています。建築・電気・管工事の施工管理技士も制度の骨格は同じですが、試験日程や出題は種目ごとに違うため、この記事の数字は土木(1級・2級)に絞っています。記載内容は2026年10月3日時点の公表資料にもとづきます。
土木施工管理技士でできること
土木施工管理技士は、建設業法にもとづく国家資格(技術検定)です。会社にとっての価値は、大きく次の3つです。
- 現場に置く技術者になれる:建設業の許可業者は、元請・下請を問わず全ての工事現場に主任技術者を置く必要があります。特定建設業者が元請として下請に出す総額が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の工事では、監理技術者が必要です。1級を持っていれば監理技術者になれます。
- 営業所の技術者になれる:建設業の許可を維持するには、営業所ごとに技術者を置く必要があります(2024年12月に「営業所の専任技術者」から「営業所技術者」に名称が変わりました)。
- 経営事項審査(経審)の点数になる:公共工事の入札で使われる経審では、技術職員1人あたり1級が5点、2級が2点で評価されます。1級で監理技術者資格者証の交付と講習の受講があれば6点です。
つまり、資格を持っている人がいないと会社は受注できる工事の幅が狭まり、入札の点数も伸びません。資格手当が出たり、昇進や転職で有利になったりするのは、この会社側の事情があるからです。
1級と2級の違い
| 比べる点 | 1級土木施工管理技士 | 2級土木施工管理技士 |
|---|---|---|
| なれる技術者 | 監理技術者・主任技術者、特定建設業の営業所技術者など | 主任技術者、一般建設業の営業所技術者など |
| 向いている現場 | 元請として大きな工事を回す現場(監理技術者が必要な規模を含む) | 中小規模の工事、下請として入る現場 |
| 第一次検定を受けられる人 | 受検する年度の末日時点で19歳以上 | 受検する年度の末日時点で17歳以上 |
| 経審の技術職員の点数 | 5点(監理技術者資格者証+講習で6点) | 2点 |
| 受検手数料 | 第一次12,000円/第二次12,000円 | 第一次6,000円/第二次6,000円(同日受検は12,000円) |
※インターネット申込では別途、事務手続手数料250円がかかります。手数料は2025年1月に改定された金額です。
どちらを目指すかで迷ったら、年齢の条件を満たしているなら1級の第一次から受けてしまうのがおすすめです。2級を経由しなくても1級の第一次は受けられますし、1級の第一次に受かれば「1級技士補」を名乗れます。主任技術者の資格がある人なら、1級技士補として監理技術者補佐になることもできます(経審では4点)。
2024年度から受検資格はこう変わった
2024年度(令和6年度)の改正で、受検資格の考え方が「学歴と実務経験年数」から「第一次検定は年齢だけ、第二次検定は第一次合格後の実務経験」に変わりました。
第一次検定:年齢だけで受けられる
1級は受検する年度の末日時点で19歳以上、2級は17歳以上であれば、学歴や実務経験に関係なく受けられます。指定学科を出ていない人や、職人から施工管理に移った人にとっては大きな変化です。
第二次検定:第一次に合格してからの実務経験で受ける
| ルート | 1級 第二次検定 | 2級 第二次検定 |
|---|---|---|
| 基本 | 1級第一次の合格後、実務経験5年以上 | 2級第一次の合格後、実務経験3年以上 |
| 短縮ルート | 1級第一次の合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上 | 1級第一次の合格後、実務経験1年以上 |
| 別ルート | 1級第一次の合格後、監理技術者補佐として専任で1年以上 | 技術士第二次試験の合格後、実務経験1年以上 |
| 2級合格者のルート | 2級第二次の合格後に実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上)で、かつ1級第一次に合格していること | ― |
「特定実務経験」とは、請負金額4,500万円(税込)以上の建設工事で、監理技術者・主任技術者の指導の下で、または自ら監理技術者・主任技術者として施工管理をした経験のことです。発注者側や工事監理の受託者側の経験は含まれません。大きめの元請工事に配属されている人は、この短縮ルートで1級の第二次を2年早く受けられる可能性があります。
旧受検資格も2028年度まで使える
2024〜2028年度(令和6〜10年度)の間は、改正前の受検資格(学歴に応じた実務経験年数)で第二次検定を受けることもできます。新旧どちらか有利なほうを選べるので、たとえば指定学科の大学を出て実務経験が長い人は、旧受検資格のほうが早く第二次を受けられる場合があります。申込方法は新受検資格がインターネット、旧受検資格が書面と分かれているため、自分がどちらで受けるかは申込前に全国建設研修センターの受検の手引で必ず確認してください。
試験日程(2026年度の実績と2027年度の見通し)
| 検定 | 申込期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 1級 第一次 | 3月23日〜4月6日 | 7月5日(日) | 8月13日 |
| 1級 第二次 | 3月23日〜4月6日 | 10月4日(日) | 2027年1月8日 |
| 2級 第一次(前期) | 3月4日〜3月18日 | 6月7日(日) | 7月7日 |
| 2級 第一次(後期)・第二次 | 7月8日〜7月22日 | 10月25日(日) | 第一次12月2日/第二次2027年2月3日 |
2027年度(令和9年度)の日程は、この記事の時点ではまだ公表されていません。国土交通省は例年、翌年度の実施日程を年末に公表しています(2026年度分は2025年12月18日に公表)。2026年度の実績で見ると、1級土木の申込は3月下旬〜4月上旬、2級の前期は3月上旬〜中旬です。申込を逃すと1年待つことになるので、受けると決めたら年明けには準備を始めてください。
合格率:差がつくのは第二次
| 年度 | 1級 第一次 | 1級 第二次 | 2級 第一次 | 2級 第二次 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年度(令和6年度) | 44.4% | 41.2% | 前期43.0%/後期・同日44.6% | 35.3% |
| 2025年度(令和7年度) | 43.1% | 38.9% | 前期51.8%/後期・同日49.7% | 53.7% |
| 2026年度(令和8年度) | 49.8% | 未実施(10月4日) | 前期47.8% | 未実施(10月25日) |
※2級は種別「土木」の数値。2024年度の1級第一次・2級前期は資格学校の公表値、それ以外は全国建設研修センターの公表資料によります。
1級の第一次は、2026年度で受検者50,012人のうち24,927人が合格しています。合格基準は全体の60%以上の正解に加えて、「施工管理法(応用能力)」の15問のうち9問以上の正解が必要です。総得点が足りていても応用能力で足切りになることがあるので、ここは過去問で重点的に固めてください。
第二次の合格基準は得点の60%以上です。1級の第二次は記述式で、2時間45分の試験です。
第二次検定の「経験記述」は2024年度から形が変わった
第二次検定の問題1は、自分が経験した土木工事をもとに書く経験記述です。ここは必須問題で、白紙や的外れな解答では合格できません。
1級土木では、2024年度から出題の形が変わりました。以前は品質管理・安全管理・工程管理などから1つのテーマで書く形でしたが、2024年度は「安全管理」と「施工計画」、2025年度は「品質管理」と「環境対策」というように、2つのテーマを指定され、同じ工事について両方を書く形になっています。2025年度の環境対策は初めての出題でした。そのかわり記述欄の行数は減り、短く的確に書く力が求められます。
国土交通省は改正の方針として、第二次検定で「自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、設問の見直し」を行うと公表しています。出来合いの例文を丸暗記して当てはめるやり方は、年々通用しにくくなっていると考えてください。2026年度以降に同じ形が続くかは分からないので、どのテーマが出ても書けるように準備しておく必要があります。
書き方の詳細は、1級土木施工管理技士の経験記述の書き方と2級土木施工管理技士の経験記述の書き方で解説しています。
経験記述を書く前に、現場のメモを集める
経験記述でつまずく人の多くは、文章力ではなく材料不足です。書き始める前に、記述に使う工事を1件決めて、次の情報を手元にそろえてください。
- 工事概要:工事名、発注者、工事場所、工期、主な工種と数量。数字は契約書類や施工計画書で確認し、記憶で書かない
- 自分の立場:その工事で自分が何をしていたか(現場代理人、主任技術者、担当者など)
- 現場ならではの条件:地盤、近接する構造物や道路、気象、河川の水位、住宅地との距離など
- 実際に起きた課題と、やった対策:工程の遅れ、品質のばらつき、第三者災害の恐れ、騒音・振動・濁水などの環境面の問題。その対策で何がどう変わったか
現場日報、工程表、打合せ記録、施工計画書を見返すと、忘れていた具体的な数字や経緯が出てきます。「現場ならではの条件」から「課題」が生まれ、それに「対策」を打った、という筋が通っていれば、どのテーマを指定されても組み立て直せます。
働きながら受かるための勉強の順番
- 受検資格と申込時期を確定させる:新旧どちらの受検資格で受けるか、実務経験の年数が足りるかを、受検の手引で確認します。
- 第一次は過去問を中心に回す:出題範囲は広いですが、同じ論点が繰り返し出ます。施工管理法(応用能力)の足切りがあるので、ここは最優先で(詳しくは1級土木 第一次検定の勉強法)。
- 経験記述は早めに一度書き切る:第一次の勉強と並行して、使う工事を決めて下書きを作ります。直前に書き始めると、材料集めだけで時間が尽きます。
- 書いたものを人に読んでもらう:上司や先輩、資格を持っている同僚に読んでもらい、「現場を知らない人が読んでも状況が分かるか」を確認します。周りに頼める人がいなければ、添削サービスを使う方法もあります。
- 記述以外の問題も過去問で手を動かす:第二次は経験記述だけではありません。穴埋めや記述の選択問題も、実際に書いて時間内に終わるかを確かめておきます。
独学が基本でも、経験記述だけは自分で書いて自分で直すのが難しい部分です。施工管理技士専門の通信講座「独学サポート事務局」(株式会社ディーラーニング)は、土木を含む1級・2級の各種目に対応しており、教材のほか、受講者の工事経験をもとにした経験記述の作成・添削指導を受けられます。
土木(1級・2級)の講座内容と料金を確認する
添削を使う場合でも、試験本番では自分の手で書くことになります。用意してもらった文章を、自分の現場の言葉で説明できるところまで読み込んで直すことが前提です。そうしておかないと、想定と違うテーマが指定されたときに崩れます。
資格を取ったあと:年収とキャリアへの効き方
資格手当の金額は会社によって大きく違い、公的な相場の統計はありません。求人票や資格学校の公表を見ると、1級で月1万〜3万円前後、2級で月5,000円〜1万円前後を示す例が多いものの、条件はまちまちです。手当以上に効くのは、監理技術者として配置できる人材になることで、任される現場の規模と昇進の道が変わることです。
一方で、資格を取っても手当や役割に反映されない会社もあります。その場合は、資格を正当に評価する会社に移るほうが年収への影響は大きくなります。資格別の年収の目安は施工管理の年収相場|経験年数・企業規模・資格別のリアルな水準で、転職先の選択肢は施工管理を辞めたい人の転職先7選で整理しています。
よくある質問
2級を持っていなくても、いきなり1級を受けられますか
第一次検定は受けられます。1級の第一次は、受検する年度の末日時点で19歳以上であれば学歴・実務経験を問いません。第二次検定は、1級の第一次に合格したあとの実務経験(原則5年、特定実務経験を含めば3年など)が必要です。
2級の第二次に受かっていれば、1級の第二次を受けられますか
新しい受検資格では、2級の第二次に合格したうえで所定の実務経験があり、かつ1級の第一次にも合格していることが条件です。2級に受かっているだけでは1級の第二次は受けられないので注意してください。
第一次検定の合格に有効期限はありますか
資格学校などは「2021年度の制度変更で期限がなくなった」と説明しています。ただし、自分の合格年度や旧制度の学科試験合格者の扱いによって条件が変わるため、受検の手引で確認してください。旧制度の2級学科試験の合格者は、従来どおり「12年以内かつ連続2回」の扱いです。
どの工事が実務経験として認められますか
土木工事の施工管理(工程・品質・安全管理など)に直接関わった経験が対象で、発注者側の監督業務や設計だけの経験などは、種類によって扱いが異なります。実務経験には勤務先による証明が必要になるため、受検を決めたら早めに会社へ相談しておくと手続きがスムーズです。認められる工事の範囲は、受検の手引に一覧が載っています。
1級の第二次検定を早く受けるための条件は特定実務経験とは、第一次検定の合格後にできることは1級技士補とはで詳しく解説しています。
まとめ
- 第一次検定は年齢だけで受けられる。1級は19歳以上、2級は17歳以上
- 第二次検定は第一次合格後の実務経験で受ける。大きめの元請工事に関わっている人は、特定実務経験で期間を短縮できる可能性がある
- 旧受検資格も2028年度まで選べる。新旧どちらが早いかは申込前に確認する
- 差がつくのは第二次の経験記述。2024年度から2テーマ指定の形になり、丸暗記の例文は通用しにくい
- 2027年度の日程は未公表。2026年度の実績では1級土木の申込は3月下旬〜4月上旬
資格は、会社にとっても自分にとっても「現場を任せられる人」の証明です。まずは次の申込時期を手帳に書き込むところから始めてください。

