本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。制度の内容は国土交通省・全国建設研修センターの公表資料をもとに記載しており、報酬の有無によって内容を変えることはありません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
1級施工管理技術検定の第一次検定に合格すると、「1級技士補」という称号がもらえます。2021年度に始まった制度で、第二次検定に受かる前でも、条件を満たせば監理技術者補佐として現場に配置され、会社の経営事項審査(経審)でも点数になります。
この記事では、1級土木施工管理技士で、ゼネコンの施工管理を約10年経験した運営者が、1級技士補で何ができるのか、監理技術者補佐になる条件、経審の点数、第二次検定への近道としての使い方を整理します。
この記事の要点
- 1級技士補=1級の第一次検定の合格者(2021年度以降)。第一次・第二次の両方に受かると「1級施工管理技士」
- 監理技術者補佐になれるのは1級技士補で、かつ主任技術者の資格がある人。土木なら「1級土木の技士補+2級土木施工管理技士」が典型
- 補佐を専任で置くと、監理技術者は2現場まで兼務できる(専任特例2号)。会社にとって価値が大きい
- 経審の技術職員評価で、監理技術者補佐は4点(1級技術者5点、2級技術者2点)
- 監理技術者補佐として1年働くと、1級第二次検定を受けられる
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この記事の対象読者
1級の第一次検定に合格した方、これから受ける方を中心に、技術者の配置や経審の点数を考える建設会社の経営者・工事部長の方も想定しています。土木の例を中心に書いていますが、制度は建築・電気・管工事などの施工管理技士でも共通です。記載内容は2026年10月4日時点の公表資料にもとづきます。
1級技士補とは
2021年4月の建設業法改正で、技術検定は「学科試験・実地試験」から「第一次検定・第二次検定」に再編されました。このとき、第一次検定の合格者に「技士補」の称号が新しく付くようになりました。
- 第一次検定:施工技術の基礎となる知識と能力を判定。合格すると1級技士補
- 第二次検定:実務経験にもとづく技術上の管理・指導監督の知識と能力を判定。合格すると1級施工管理技士
最初の1級土木技士補は2021年度の第一次検定で誕生し、受検者37,726人のうち22,851人が合格しました。2020年度以前に旧制度の学科試験だけ合格した人は、技士補の合格証明書の対象外です。
合格証明書の申請を忘れない
第一次検定の合格通知書に同封される交付申請書を、受付期間内に国土交通省へ出した人に「第一次検定合格証明書(1級土木施工管理技士補)」が交付されます。2026年度の申請期間は8月13日〜8月27日でした。経審や監理技術者補佐の配置では合格を証明する書面が必要になるので、申請しておきましょう。
監理技術者補佐とは:監理技術者が2現場を兼務できる制度
元請が下請に一定額以上を発注する工事では、監理技術者を置く必要があり、請負金額が4,500万円(建築一式は9,000万円)以上なら原則として現場ごとに専任です。ここに監理技術者補佐を専任で置くと、監理技術者は2つの工事まで兼務できます(建設業法第26条第3項第2号、2020年10月施行。2024年12月のマニュアル改正以降は「専任特例2号」と呼ばれる)。
監理技術者になれる1級施工管理技士は、どの会社でも足りていません。1人の監理技術者で2現場を回せることは、会社にとって受注できる工事が増えることを意味します。技士補の価値は、本人の肩書きよりも「会社の技術者配置を助けられる」点にあります。
2024年12月の「専任特例1号」との違い
2024年12月13日施行の改正で、補佐を置かなくても条件付きで2現場を兼務できる「専任特例1号」も始まりました。主な条件は次のとおりです。
- 請負金額が1億円未満(建築一式は2億円未満)
- 兼務できる現場は2つまで、移動時間はおおむね2時間以内
- 下請次数は3次まで、連絡員の配置
- 映像・音声でやり取りできる情報通信機器の設置、人員配置計画書の作成など
1号は金額の上限がある一方、2号(補佐を置く方式)には金額の上限がありません。大きな工事ほど、技士補を補佐に置く2号の出番があります。なお、1号を使う現場と2号を使う現場を同じ技術者が兼務することはできません。
監理技術者補佐になれる条件
国土交通省の資料では、監理技術者補佐になれるのは「主任技術者の要件となる資格を持ち、かつ1級技士補である者」(または監理技術者の資格を持つ者)です。1級技士補だけでは補佐になれません。
| 主任技術者の要件 | 例 |
|---|---|
| 国家資格(2級など) | 2級土木施工管理技士、2級建築士など |
| 学歴+実務経験 | 指定学科の大学卒業後3年、高校卒業後5年 |
| 実務経験 | 10年 |
| 技術検定合格後の実務経験(2023年7月〜) | 1級の第一次検定合格後3年など。ただし土木一式・建築一式などの指定建設業では使えない |
※国土交通省関東地方整備局の資料より要約。業種ごとの細かい扱いは資料本文で確認してください。
土木で典型的なのは、「1級土木の技士補」+「2級土木施工管理技士」の組み合わせです。2級土木を持っている人が1級の第一次に受かれば、その時点で補佐になれる条件がそろいます。指定学科卒業で実務経験が足りている人も同様です。
なお、国土交通省関東地方整備局の発注工事では、補佐の検定種目が監理技術者と同じであることも求められます(土木の監理技術者なら、補佐も土木の技士補)。発注者ごとの運用もあるので、配置前に確認してください。
経審での点数(技術職員の評価)
経営事項審査の技術職員数(Z1)では、資格ごとに点数が決まっています(2021年4月改正)。
| 点数 | 区分 |
|---|---|
| 6点 | 1級監理受講者(1級資格者で監理技術者資格者証の交付と講習を受けている人) |
| 5点 | 1級技術者・技術士 |
| 4点 | 監理技術者補佐(1級技士補+主任技術者要件) |
| 3点 | 登録基幹技能者など |
| 2点 | 2級技術者 |
| 1点 | その他の技術者(実務経験による主任技術者など) |
2級土木を持つ社員が1級の第一次に受かると、その社員の評価は2点から4点に上がります。申請には、第一次検定の合格を証明する書面と、主任技術者要件を確認できる資料の写しが必要です。経営者の方は、2級を持つ若手に1級の第一次を受けさせるだけで経審の点数が上がる、という点を覚えておくと人材投資の判断がしやすくなります。
第二次検定への近道:補佐の経験1年で受検できる
2024年度からの新受検資格では、1級の第一次合格後、次のいずれかで第二次検定を受けられます。
- 実務経験5年以上
- 特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上(特定実務経験とは)
- 監理技術者補佐としての実務経験1年以上
補佐のルートがいちばん短いのですが、条件は厳しめです。手引には次のように書かれています。
- 建設業法の規定にもとづいて監理技術者補佐として専任で配置された経験に限る。「単に監理技術者の手伝いや補助といった経験ではありません」
- 申込時に施工体制台帳をアップロードし、特定建設業者が元請であること、監理技術者が非専任であること、監理技術者と補佐の資格内容が確認できる必要がある
- 下請に出した金額の合計にも要件がある(2025年2月1日以降の工事は5,000万円以上、税込)
つまり、会社が実際に専任特例2号を使って監理技術者に2現場を兼務させ、その一方の現場に自分が補佐として専任配置されていないと、このルートは使えません。上司や工事部に「補佐として配置してもらえるか」を相談することが、最短で1級を取るための一歩になります。
よくある質問
1級技士補だけで現場の主任技術者になれますか
土木一式・建築一式などの指定建設業では、第一次検定の合格だけでは主任技術者の要件になりません。それ以外の業種では、2023年7月から「1級の第一次検定合格後3年の実務経験」で主任技術者になれるようになっています。
2級技士補というのもありますか
あります。2級の第一次検定の合格者は「2級技士補」です。ただし監理技術者補佐になれるのは1級技士補だけです。
第一次に受かったら、すぐ第二次を受けたほうがいいですか
受検資格を満たしていれば、早いほうが有利です。第一次の知識が残っているうちに第二次に進めますし、1級技術者(5点)になれば会社での評価も上がります。経験記述の準備は1級土木の経験記述の書き方で解説しています。
まとめ
- 1級技士補は1級の第一次検定の合格者。合格証明書の申請を忘れずに
- 監理技術者補佐になるには、技士補+主任技術者の要件(土木なら2級土木など)が必要
- 補佐を専任で置けば監理技術者は2現場を兼務できる。会社にとっての価値が大きい
- 経審では監理技術者補佐は4点。2級技術者(2点)から上がる
- 補佐として専任配置で1年働くと、1級第二次を受検できる。配置は会社と相談
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