本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。受検資格の内容は国土交通省・全国建設研修センターの公表資料をもとに記載しており、報酬の有無によって内容を変えることはありません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
2024年度から施工管理技士の受検資格が変わり、1級の第二次検定に「特定実務経験」という条件が加わりました。これがあると、第一次検定の合格後3年で第二次検定を受けられます(ない場合は5年)。
ただ、「請負金額4,500万円以上の工事」「資格者証を持つ技術者の指導の下」といった条件の読み方で迷う人が多い項目です。この記事では、1級土木施工管理技士で、ゼネコンの施工管理を約10年経験した運営者が、土木を中心に、特定実務経験の定義・認められない例・証明の方法を整理します。
この記事の要点
- 特定実務経験=請負金額4,500万円(税込)以上の工事で、監理技術者資格者証を持つ監理技術者・主任技術者の指導の下(または自分がその立場で)行った施工管理の経験
- 1級第一次合格後、特定実務経験1年以上を含む3年で第二次を受検できる(通常ルートは5年)
- 指導した技術者と別の会社だった場合や、発注者側の経験は特定実務経験にならない
- 申込はオンラインで経験を登録し、指導した技術者の資格者証の交付番号を入力する
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この記事の対象読者
1級の第一次検定に合格した(またはこれから受ける)方で、第二次検定をいつ受けられるかを確認したい方を想定しています。数字と条件は、全国建設研修センター(JCTC)の令和8年度「1級土木施工管理技術検定 受検の手引(新受検資格)」にもとづきます。記載内容は2026年10月4日時点の公表資料によります。
新受検資格のおさらい
2024年度(令和6年度)から、技術検定の受検資格は次のように変わりました。
- 第一次検定:1級は年度末時点で19歳以上、2級は17歳以上なら、学歴・実務経験を問わず受検できる
- 第二次検定:学歴ごとの「卒業後の実務経験」ではなく、第一次検定などに合格した後の実務経験で判断する
- 経過措置:2028年度(令和10年度)までは、改正前の受検資格で第二次検定を受けることもできる
受検資格の全体像は土木施工管理技士の取り方で解説しています。
1級第二次検定の受検ルート(土木)
| 区分 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 1級第一次検定の合格者 | 合格後5年以上 |
| 合格後、特定実務経験1年以上を含む3年以上 | |
| 合格後、監理技術者補佐として1年以上 | |
| 2級第二次検定の合格者で、1級第一次にも合格した人 | 2級第二次合格後5年以上 |
| 2級第二次合格後、特定実務経験1年以上を含む3年以上 | |
| 技術士第二次試験の合格者(建設部門など) | 合格後5年以上 |
| 合格後、特定実務経験1年以上を含む3年以上 |
※全国建設研修センター「令和8年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 受検の手引(新受検資格)」より。第一次・第二次を同じ年に受ける場合は、2級第二次合格者の2ルートのみ。
特定実務経験があると、5年のルートが3年に縮みます。第一次に20代前半で受かっていれば、20代のうちに1級を取れる可能性が出てきます。監理技術者補佐のルートは1級技士補とはで詳しく説明しています。
特定実務経験の定義
手引の定義を分解すると、次の3つの条件がそろったときに特定実務経験になります。
- 工事の条件:建設業法の適用を受ける、請負金額4,500万円(税込)以上の建設工事であること(建築一式工事は7,000万円以上。国交省資料による)
- 立場の条件:次のどちらか
- 監理技術者または主任技術者の指導の下で行った施工管理の経験。ただしその技術者は、請け負った工事の種類に対応する監理技術者資格者証を持っていること
- 自ら監理技術者または主任技術者として行った施工管理の経験
- 内容の条件:土木施工管理の実務経験として認められる業務であること(後述)
「4,500万円」は何の金額か
- 税込の金額です
- 実務経験の登録画面の請負金額欄は「勤務先の工事請負金額」です。つまり、自分の会社が請け負った金額で見ます。下請で入っている場合、元請の工事全体の金額ではなく、自社の請負金額が4,500万円以上かどうかで判断することになります(下請の場合の扱いを明示した細則は、確認した範囲では見当たりませんでした。迷う場合はJCTCに問い合わせてください)
なお、建設業法で専任の監理技術者などが必要になる金額は2025年2月に4,500万円に引き上げられましたが、特定実務経験の基準は令和8年度の手引でも4,500万円のままです。
「指導の下」の意味:資格者証を持っている人か
現場で実務上いちばん引っかかるのがここです。上司が現場代理人や主任技術者でも、その工事の種類(土木一式など)の監理技術者資格者証を持っていなければ、その指導の下の経験は特定実務経験になりません。現場に配置されている技術者が資格者証を持っているかは、施工体制台帳や技術者の配置の書類で確認できます。受検を考えているなら、配属が決まった段階で上司に確認しておくと、あとで経験年数を数え直す手間がなくなります。
特定実務経験として認められないケース
手引には、次の場合は特定実務経験にならないと書かれています。
- 指導を受けた監理技術者・主任技術者と同じ会社に所属していない場合(派遣・出向は、派遣先の会社に所属しているものとみなす)
- 発注者や、工事監理業務などの受託者(発注者支援業務など)の社員としての経験。通常の実務経験には含まれるが、特定実務経験には含まれない
- 建設業法の適用を受けない国外の工事や、請負ではない工事
- 複数の工事をまとめて登録した実務経験に含まれる工事(特定実務経験は工事ごとに登録が必要)
- 一式工事に含まれる専門工事の経験(所属先が請け負った工事の種類だけが対象)
そもそも「実務経験」として認められない業務
特定実務経験の前提として、土木施工管理の実務経験に当たらない業務もあります。手引の例は次のとおりです。
- 着工前の設計(基本設計・実施設計)だけ
- 測量・調査・設計(積算を含む)・保守・維持・メンテナンス(施工中の工事測量は可)
- 現場事務・営業、官公庁の行政、研究・教育
- アルバイトの作業員、工程・品質・安全管理を含まない雑務や単純な労務作業
- 除草、路面清掃、除雪、植栽工事、一戸建て個人住宅の解体、ボーリング調査など
証明の方法:申込時に何を入力するか
現在の申込は紙の実務経験証明書ではなく、JCTCの「個人ページ」でのオンライン登録です。
- 工事ごとに経験を登録:工事名、工期、請負金額(税込)、自分の立場や担当した業務を入力します。特定実務経験は短い工事をまとめて登録できません
- 指導した技術者の情報を入力:その工事の監理技術者(主任技術者)の氏名と、監理技術者資格者証の交付番号を入力します。自分が主任技術者だった場合、交付番号は不要です
- 証明者の確認:工事を請け負った会社の代表者、またはその工事の監理技術者・主任技術者などが内容を確認します。2024年4月1日以降に着工した工事は、実際に所属していた会社の代表者などによる証明だけが有効です
- 書類の追加提出:申込時に契約書の提出は必須ではありませんが、内容に疑義がある場合などに、工事請負契約書・請書・注文書などの写しの提出を求められることがあります
転職した人は要注意です。前の会社での経験を登録するには、前の会社の代表者などに証明してもらう必要があります。辞める前に、担当した工事の名称・工期・請負金額・技術者の名前と資格者証番号を控えておくと、受検のときに困りません。
2026年度の日程(1級土木)
- 申込:2026年3月23日〜4月6日
- 第一次検定:7月5日、合格発表:8月13日
- 第二次検定:10月4日、合格発表:2027年1月8日
2027年度の日程は未公表です(例年、国土交通省が前年度の12月ごろに公表)。
よくある質問
2級の第二次検定でも特定実務経験は必要ですか
2級の第二次検定は、2級第一次合格後3年以上(または1級第一次合格後1年以上)の実務経験で受けられます。特定実務経験は1級第二次の短縮ルートで使う条件です。
特定実務経験の1年は、1つの工事でなくてもいいですか
工事ごとに登録して合計する形です。ただし各工事がそれぞれ条件(4,500万円以上、資格者証を持つ技術者の指導の下など)を満たしている必要があります。
旧受検資格と新受検資格、どちらで受けるべきですか
2028年度までは、旧受検資格(学歴に応じた実務経験)でも受検できます。どちらか条件を満たすほうで申し込めば構いません。学歴と経験年数によっては旧受検資格のほうが早く受けられる人もいるので、手引の両方の表で確認してください。
まとめ
- 特定実務経験は、4,500万円(税込)以上の工事で、資格者証を持つ監理技術者・主任技術者の指導の下(または自分がその立場で)行った施工管理の経験
- あれば1級第二次を第一次合格後3年で受検できる(なければ5年)
- 指導者と別会社、発注者側の経験、まとめ登録の工事は対象外
- 申込時には指導者の資格者証の交付番号を入力する。転職前に工事の情報を控えておく
第二次検定の経験記述の書き方は1級土木の経験記述の書き方、第一次検定の勉強法は1級土木 第一次検定の勉強法で解説しています。

